人気のソフトバンクグループ社債が発行されます。第70回無担保社債になります。9/7 10時より申し込みが開始され、仮条件はなんと4.30~4.90%と中央値が4.60%と高利回りの条件になっています。買いたくなる絶妙な金利設定ですね。先日イオンの社債も発行されましたが、7年の期間で年利率3.087%と高利回りですので、相対的にリスクの高いソフトバンクグループ社債は感覚的に他社比較で+1.5~2.0%のスプレッドとなっています。
結論:資金の調整がつけば買いたい。株式でも欲しい銘柄あり迷うところ
本債券を購入に向いている方
①ソフトバンクグループは今後7年間破綻しないと、同社の事業と財務を信じられる方
②元本を棄損したくない、4.6%の利回りを確保したい方 (破綻しない限り、確定利回りです)
③7年後に資金の使用用途が決まっていて、中途売却せず満期まで保有できる方
④利回りがそれなりにあるので、資産が株に偏っている方はポートフォリオ分散の一環として
ソフトバンクグループ社債が発行されるたびに、動画やブログで財務リスクが語られます。かつてはソフトバンクグループの出資先としてWeWork問題が発生した実績があります。今はAI関連に大きく投資していますので、AI株が大きく崩れるようなことがあると財務リスクが出る可能性はありますが、らと個人的には7年間で破綻することはないと考えています。
尚、見た瞬間は買いたいと思いました。ただまとまった100万の資金を手当てする目途が無いのと、いくつか買いたい銘柄があるので株式投資を優先にしたいと考えていますが、魅力的な利率ではあるので9/7の発売日までもう少し考えてみようと思います。
第70回無担保社債 ソフトバンクグループ株式会社の基本情報
今回のソフトバンクグループ社債の基本情報は下記の通りです。劣後債ではなく比較的リスクの小さい普通社債で利率が高いのですぐに売り切れる可能性もありますが、今回は発行額が1兆円とものすごい募集額になっています。これまでは4,000~6,000億円でしたので、1兆円規模ですと即売り切れにはならないかもしれません。一口100万円ですので、まとまった資金が必要になります。

◆引受証券会社:各証券会社への割り当て金額は未公表
野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券
SBI証券、岡三証券、岩井コスモ証券、東海東京証券、水戸証券、西日本シティTT証券
尚、楽天証券でも取り扱いがあります。

第70回無担保社債 利回りシミュレーション -メリットは資金計画の立てやすさ
まだ利回りは確定していませんので確実な計算はできませんが、これまでソフトバンクグループ社債は概ね仮条件の中央値+αの金利で決まることが多いです。よって今回のシミュレーションは中央値の4.6%で試算してみます。
投資額:100万円
税引前:46,000円/年 (半年ごと23,000円) 7年合計 322,000円
税引後:36,656円/年 (半年ごと18,328円) 7年合計 256,592円
投資額:300万円
税引前:138,000円/年 (半年ごと69,000円) 7年合計 966,000円
税引後:109,968円/年 (半年ごと54,984円) 7年合計 769,776円
これまでの低金利を基準とすればとても魅力的な利回りと感じます。ソフトバンクグループ株式会社が破綻しない限りは確定利回りで入金されますので、安定感もあり買いたくなる水準です。こうやって資金や得られる金利を計算できることも債券投資の魅力の1つです。
第70回無担保社債 ソフトバンクグループ社債のリスク
ソフトバンクグループ社債のリスクはいくつかあります。らとが個人的にリスクと考える点を挙げていきます。
リスク①:長期金利上昇リスク -長期金利が上がれば債券は値下がりする
らともソフトバンクグループ社債を保有していますが、購入したのは金利が上がる前でした。しかし現在は金利上昇局面です。これまで日本は失われた30年と言われるほど金利のない世界が続きましたので、多くの皆様にとって金利上昇局面は初めての経験になると思います。こうした金利上昇局面で7年間固定利回りの債券に投資することがベストになるのかは、今後の金利の動向次第としか言えません。
日本の長期金利は3%目前、日銀政策金利は1%という状況の中、物価高を受け日銀は早期の利上げを市場から求められている状況です。固定金利は安心感がありますが、長期で資金拘束されますので金利収入の代わりに以後の7年間の機会を失うことにもなります。投資判断はとても迷いますね。
投資するお金がある前提で買ってもよい方は・・・
①7年後に子供の大学入学など資金が必要なイベントがある(逆算すると小5くらいの子供のいるご家庭)
②これ以上金利は上がらないだろう。仮に上がっても4.6%であれば満足という方
③物価は政府/日銀が目標としている2%で推移していくだろうと考えている方
と考えます。らと個人的には今後5%台の債券が発行される可能性はあると思いますが、6%や7%を超える社債が発行されるかは微妙だと考えています。しかしUSドル建てで発行されたソフトバンクグループ社債の中には8%の金利のものもありますので、金利がさらに上がる可能性は否定できません。
ちなみにらとの保有するソフトバンクグループ社債は2.48%と3.15%の2種です。まだ3年以上残期間があり、相対的に低収益になってしまっていますが、売っても損失が発生しますので満期まで持ち続けます。7年はとても長いです。2.48%の債券を投資して、今は4.6%となっている事例を1つの参考にしていただければと思います。
リスク②:インフレ負けするリスク -インフレ率3%を超えると負ける可能性
ソフトバンクグループ社債は年2回金利払いの単利商品です。支払われた金利に対して再投資するかどうかもありますが、NISAを使わない方であれば20%の税金を引かれた後の金利は3.67%の単利になります。政府/日銀が目標とする年2%のインフレに対しては税引後でも1.67%プラスに見えますが、インフレは複利で積み上がります。2%であれば7年平均で年利で1.55%のプラス、3%だと7年平均で年利0.39%にしかなりません。3%を超えるような物価水準が続くとトータルでインフレ負けする可能性も出てきます。
| 比較項目 | 開始時点 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 6年 | 7年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 物価(2%インフレ) | 100 | 102 | 104.04 | 106.12 | 108.24 | 110.41 | 112.62 | 114.87 |
| 物価(3%インフレ) | 100 | 103 | 106.09 | 109.27 | 112.55 | 115.93 | 119.41 | 122.99 |
| 元本+利息(単利積上げ) | 100 | 103.67 | 107.34 | 111.01 | 114.68 | 118.35 | 122.02 | 125.69 |
インフレが3.67%を超えてしまったら挽回しようがありませんが、インフレ負け回避のためには受け取った利息をさらに運用し、自分で複利効果を作っていく必要があります。
リスク③:資金が集まらないリスク
ソフトバンクグループは借金によりレバレッジを利かせた経営を行っています。これまでは4,000億円、1兆円と巨大な資金を募集しても、魅力的な利回りで完売を続けています。しかし株高、金利上昇局面となっている現在、相対的にソフトバンクグループ社債を購入するインセンティブは弱まっていると考えます。全体の資金は限られており、最近でも6月にかけて株式市場ではバリュー株から資金が離れて、ハイテク株に向かっていきました。他の投資対象が魅力であれば、あえてソフトバンクグループの社債に資金を投じる必要はなくなります。
多くの方々にとって、現在のような株の値上げ局面、金利上昇局面は初めての経験です。この先金利が上がっていく見通しのない超低金利時代には即買いたい債券でしたが、現在は比較できる魅力的な投資先があります。
またかつては資金需要に乏しく預金も積極的な募集はありませんでしたが、各金融機関でキャンペーン金利を出すなどインフレを背景に資金需要が広がっている現状もあります。金融機関では債券の含み損が多く発生している現状もあります。
こうした中で巨額募集のソフトバンクグループ社債にお金が集まらないような事態になれば、債券の償還や事業の成長にリスクが発生する可能性もあります。今回の募集は4.6%前後と相対的に魅力的な金利水準のため資金は集まると思いますが、今後も資金需要が増えている中で継続した資金の取り込みを継続することは容易ではないと感じています。
リスク④:ソフトバンクグループの財務 -発行体破綻 可能性は小さい
債券であろうと株式であろうとソフトバンクグループ株式会社に資金を投じますので、発行体であるソフトバンクグループが健全に存続することが大前提です。ソフトバンクグループの最大のリスクはその財務と言われています。特に有利子負債が24兆円を超えており、社債発行のたびにその破綻リスクは心配されています。※下記四季報より抜粋

ソフトバンクグループの主要事業は投資事業であり、孫社長が見初めたスタートアップやAI関連企業などハイテク分野に大きく投資し、その収益(特にキャピタルゲイン)が柱です。
過去には成功した投資もあれば失敗した投資もあります。一番有名な失敗例はWe Workですね。有望なIT投資だと2兆円ほどを投じましたが、WeWorkはテック企業ではなく実際は単なる不動産賃貸の会社であり、創業者の暴走によりガバナンスも機能せず、収益も伸びず上場も叶わなず、最終的に2.4兆円以上の損失に繋がった事例です。
現在はAIメインに投資されていますので、決してリスクが小さい訳ではありませんが世界的な株高を背景に含み益も増え、有利子負債が巨額でもそう簡単には財務は崩れない(7年の債券期間では)と個人的には考えています。孫社長も含め世界の優秀な頭脳が集まっている会社ですので、今後も優秀な皆様を信じられるかどうかだと思います。らとは個人的には現時点で財務はあまり心配していませんが、AI投資回収が不安な方、財務が心配な方には不向きだと思います。
リスクではないですが:他の投資対象との比較、為替と株式の今後の動向
収益を最大化しようと考えた場合、4.6%の利回りは魅力的ですが、海外債券には4.6%の金利の債券は存在します。為替が更なる円安に動けば金利と為替でダブルの利益が得られ、ソフトバンクグループ社債よりも高い利回りが得られる可能性があります。
また、株式投資とどちらが良いかも考える必要があると思います。過去を見ると結果論でしかありませんが、社債に投資するよりもソフトバンクグループの株に投資するほうが遥かにパフォーマンスが良かったです。下のチャートはソフトバンクグループの長期チャートです。

ただし、金利上昇は株式投資に対してネガティブになるのが教科書で言われていることです。相対的にリスクの小さい債券で大きな運用益が得られるのであれば、あえてリスクをとって価格変動のある株式投資にするインセンティブが働かなくなるからです。どこまで金利が上がるかが、誰にもわかりませんが金利動向が成否を決める要素かと思います。これを言ったら終わりですが、最後は運ですね。
株と債券の違いは、①(売らない前提での)価格変動の有無 ②破綻時の弁済順位(株はほぼ返済されない) などいろいろありますが、債券は計算できるので確定した資金計画に向いています。それでもソフトバンクグループに資金を投じるという行為に変わりはないので、株がよいのか債券が良いのかを考えることも必要だと考えます。尚、株式投資であればソフトバンクグループでなくてもよいと思います。
投資する資金の性質として、7年後の使い道が決まっている、ソフトバンクが破綻しない前提で元本を棄損したくないなど資金計画を立てやすい投資の意向であれば本債券は良い投資先になると思います。
参考:債券購入の特典について
ソフトバンクグループ社債は購入すると何かしらの特典が付きます。今回はトートバックです。これまでは今治のタオルやブランケットが贈呈されました。ソフトバンクのお父さんグッズがお好きな方はうれしい特典になりそうです。





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