本日、JT(日本たばこ産業)の中間決算が発表されました。売上(+17.7%)、営業利益(+29%)ともに大幅な増加となりました。※JT決算資料より抜粋


総販売本数は1%と微増でしたが、値上げと円安が主な増益要因です。その結果として、通期も上方修正で通期の営業利益見込みは16.3%増、当期利益は29%増の見込みとなり、1株当り配当金が年間で+30円と242円→272円(中間136円)とうれしい決算となりました。タバコを消費されている方々、頑張って働いているJTの皆様に感謝です。ありがとうございます。

タバコの将来性
タバコの喫煙本数は、日本では右肩下がりでピークの1996年約3400億本から2020年で1000億本を切ってさらに減少傾向が続いています。人口減少やタバコ増税等による度重なる値上げ、健康に対する影響が広く周知され歯止めがかかっていません。JTは現在海外での売上を増やしており、今や連結売上の82%は海外になっています。


海外でも先進国では減少傾向が続いておりますが、人口増加している新興国を中心にまだまだ伸びているようです。特に中国でのタバコ需要が堅調です。但し中国では中国国営のタバコ会社が大きなシェアを占めています。
タバコは健康に対しては百害あって一利なしであり、新興国でも健康意識の高まりによって将来的には数量は減少していくことが見込まれます。ただ世界人口は2080年代半ばまで増え、ピークでは103億人が見込まれていますので、当面は堅調な需要が期待できると考えられます。中国やインドなどタバコ需要が高い国で喫煙人口の減少傾向や健康意識が高まったり、タバコに関する訴訟が増えるようなことがあれば徐々に衰退していく可能性があります。
ただ現在でもタバコは値上げで一定の利幅を確保しており、10~20年で傾く可能性は少ないと考えられます。
投資におけるリスクは法規制や訴訟
タバコの訴訟ではカナダでの集団訴訟が有名です。1998年に提訴され2015年に原告側の勝訴、最終的には2025年に325億カナダドル(約3.5兆円)の支払いで和解となりました。この時JTも約4,000億円の和解金を支払っています。タバコは肺がんの要因となることは広く知られ、現在ではパッケージにも記載があり、海外ではグロテスクな写真付きのものも売られています。健康へのリスクをきちんと周知し、法の下に正しく販売したとしても100%逃れることはできませんし、訴訟は高額になる傾向もありますので、常に付きまとうリスクです。
また海外の法規制もリスク要因です。紙巻タバコのほかに電子タバコが普及してきていますが、例えばタイでは電子タバコが禁止されているなど、各国タバコに対する向き合い方に違いがあります。広く親しまれた嗜好品であり一定の経済的な影響もあることから、すぐに全面禁止になることはないと思いますが、健康的な面から今後法的な規制が強化される可能性も否定できません。
ESGはあまり影響ないか?
ESGとは下記の頭文字で、広く知られています。
E … Environment(環境) 気候変動対策、温室効果ガス削減 など
S … Society (社会) 人権尊重、労働環境改善、ダイバーシティ、地域貢献 など
G … Governance (ガバナンス) 経営の透明性、コンプライアンス、企業統治 など
ESG自体は2006年に提唱された言葉ですが、投資の指標に入り始めたのは2015~16年くらいです。タバコはESG視点でみるとネガティブな嗜好品です。そのためJTへの投資はESGに反するとみられ2017年以降かなり株価を下げた要因の1つとなりました。2017年以降で一番のボトムでは2,000円を切るまで株価が下がり、一時配当利回りが7%を超えるような状態の時もありました。
2022年のコロナ明け以降からは収益や企業価値が見直され、現在は株価が大幅に上がっています。一時ESG投資が流行ったこともありますが、現在ではESGによって株価影響を受けているような状況はみられません。
今後のタバコ株投資戦略 -現状維持、下がったら買い増したい‐
らと はタバコ関連でいうと、JTのほかにブリティッシュアメリカンタバコと少量のアルトリアグループを保有しています。ブリティッシュアメリカンタバコやアルトリアも一時期の株価低迷から大きく上がっています。JT含む各社配当利回りでいうと4~5%なので魅力的な水準ですが、過去の株価を知ってしまっているのと、他にも魅力的な会社がありますので、現状では売らず買わずで現状を維持し配当金を得ていこうと思っています。幸いにして新規投資しなくても増配によってインカムが増加傾向にあります。下がるようなことがあるかわかりませんが、JTでは利回り6%以上、海外タバコでは8%を超えるような利回りになれば買い増しを検討したいと思っています。


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